生命保険社医は知っている(今井夏三)

丸の内生命(仮)の元社医が書いた、大手生命保険会社の実態です。グループ会社をモデルにして、タイヤが空を飛んだWOWOWドラマも作られました。2018年夏には映画も公開されています

2018年07月

原稿は書かずに出版社に企画書を持って行ったり送ったりする人もいるが、自分の場合はまず原稿を完成させた。
原稿そのものを送るのはちょっと危険(なくなったり、パクられたり)なので、まずは超大手出版社に興味があるかどうか電話をかけてみた。ここで出してもらえると大ベストセラーになる可能性もあるが、ペンネーム不可ということなので取りやめ。
次に電話を掛けたのが宝島社。ここでは少し興味を持ってもらえたので原稿の一部を送ることになった。
目次と、それぞれの章や見出しの初めのさわりの部分のみを送った。
それで興味を持ってもらえたので、当時四谷にあった宝島社近くの喫茶店で会うこととなった。

無名の人が出版する方法としては、自費出版がある。大手出版社でも自費出版部門を持っているところもあるし、自費出版メインの出版社もある。しかし、自費出版では著者はお金を取られるお客さん。本を書いて100万円も取られるのは普通嫌だろう。まあ、自分の商売やクリニックの宣伝のため、「出版社から本を出している」という広告目的のために買い取りで本を出している人は存在する。お金を取られずに出版するには、小説なら多分賞に応募するのが常道だろう。小説やマンガでなければ私はあまり賞を知らない。多分、多くの人は賞に応募する以外の方法で出版している。

以前の出版時に宝島社にカットされた部分などを加えて加筆修正して復刻した本は、アマゾンKindle unlimitedに入っているので、月額料金を払っている人は無料で読めます。入っていない人でも、30日間お試しをすれば無料で読めます。どちらもできない人でも、サンプルで一部読めるのですが、パソコンやスマホにソフトやアプリを入れたくない人・面倒くさい人もいると思うのでブログで一部紹介します
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201550620

はじめに

私は某大手生命保険会社の元社医である。会社名はまあ、仮に丸の内生命保険とでもしておこう。
ところで、生命保険の社医と聞いて、一瞬、社員の健康管理やケガの手当をする会社の医務室を思い浮かべた人も多いだろう。しかし、社医は社員の診察などしない。社医の仕事は、保険加入を希望する人の健康診断(診査)を行い、異常を発見すること。ひと言でいうと、「保険加入にNOを出す」ことだ。
保険加入にNOを出す?そんなバカな。生命保険なんて、無理やり加入させられることはあっても、断られることなどないのではないか---。そう思う人も多いだろう。
ところが現実には、健康診断で加入お断りの「謝絶体」(もしくは延期体)」や、割増保険料を取られる「条件体(標準下体)」となる確率は、軽く一割を超える。さらに、保険の種類や金額を制限される「今回限り普通決定」となるケースや、入院制限をつけられるケースを含めると、実に四分の一が診査で引っかかることになる。
このような条件がつくことを、保険外務員などは「事故がつく」と呼ぶ。つまり、社医は、「事故を起こす悪い奴」というわけだ。
生命保険の社医は、みんなに嫌われる。無理もない。やっと契約にこぎつけよういう外務員にとっては、「人の苦労を水の泡にする奴」だし、無理矢理加入を承諾させられた客にとっては、「人の時間を無駄にしたあげく健康にケチをつける嫌な奴」なのだ。
病気を隠して保険加入を目論む人にとっては、眼前の敵であることは、言うまでもない。さらに万一異常を見落とした日には、「会社に損害を与えた無能な医者」との責任まで押し付けせられる。どっちを向いても、およそ感謝されるということのない職業なのである。
ところで、生命保険の契約は保険会社の契約部が行う「査定」によって決まる。社医の診断をもとにしているはずのこの査定というやつが、実は曲者なのだ。
まず、お客さんの地位や肩書によって査定が変わり、加入の可否や条件が変わることがある。また、成績が優秀で発言力の強い外務員が、一度ついた査定をひっくり返すこともある。丸の内生命のお偉いさんは、全国社医会議の会場で、「契約査定は、健康診断の結果だけで決まるわけではない」との暴言を吐いた。こんなことでいいのだろうか。
今まで、保険会社について書かれた本はたくさん出ているが、営業サイドの保険を取る立場(管理する立場を含む)から書かれたものか、もしくは外部の者が取材によって書いたもののどちらかだろう。私が読んだ本の中には、損害保険で営業の立場ではない、調査員が書いた本はあった。しかし、著者は損害保険の社員ではなかったし、しかもすぐにその仕事をやめているので会社の内部事情については触れられてはいない。
 だいたい、営業サイドから書かれた本の場合は、「外務員残酷物語」といったものだろう。確かに、成績の悪い外務員は会社からボロ雑巾のように扱われるが、成績優秀な外務員にとっては生命保険会社とは、実に都合のいいところでもある。
 成績優秀であれば、部長や常務から晩餐会に招かれて接待されもするし、たいていのわがままは通ってでかい顔をすることもできる。もちろん、成績優秀な外務員のご機嫌を取るために会社が社医のクビを飛ばすなど、朝飯前だろう。会社にとっては、優秀な外務員の代えはないのだが医者の代えはいくらでもあるということだ。
保険会社の社医は自分の仕事が世間様のお役に立つとは思っていないし、(私を含めて)さして会社に対して忠誠心を持ってはいない。ただ、生活の糧と割り切って仕方なく会社に残っている人が多い。会社に対して恨みを持っている人もいるくらいだ。一方、長く勤めている外務員には、妙に会社に対する屈折した忠誠心を持つ人もしばしば見受けられる。
 私は会社のあまりのでたらめさに堪忍袋の緒が切れたので、社医独自の視点から見た会社について、これから書いていこうと思う。読者の皆さん、生命保険会社にだまされてはいけません。保険を取る立場と180度異なった視点から会社を見ると、同じ会社でもこんなに違って見えるということが分かっていただけることでしょう。
 この本は、これから生命保険会社に入社しようとする人や、生命保険に加入しようと思っている人にも大いに参考になるだろうし、生命保険の営業の現場で働いている人にとってもきっと役立つことだろう。また、家庭の主婦や都会のビジネスマンにも、是非読んでいただきたいと思っている。




ずっと昔、宝島社から出版した本がレアになってアマゾンで古本が1万円近い値段になっいてたので、電子版にて中身を増やして改定版として復刻しました。
ずっと昔、大手生命保険の社医だった時の本です。

上巻270円、下巻540円ですが、  kindle unlimitedの本なので加入している人は買わなくとも無料で読めます。1ヶ月の無料体験に申し込んでも無料で読めます。
キンドルを持っていなくともパソコンでソフトを入れても、スマホからはkindleのアプリを入れたら大丈夫です
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はじめに 第一章 入社するまで 第二章 加入診査の舞台裏  「診査」って何  正直ではない告知  診査の実際  血圧検査は甘いが、保険料割増もあり  尿検査で糖尿病ごまかしも  形式程度の腹部触診  心電図検査は高額契約・高血圧・不整脈などで必要  血液検査で主に糖尿病チェック  視診で手術痕や入れ墨・指の欠損を発見  社会的に地位があると自分で言う人  「保険に入りたくない」と泣きつく客  社医以外による診査  診査の既成事実を作ってしまえ? 第三章 嘱託医について  嘱託医は儲かるか?  甘い先生を嗅ぎつける、外務員の「野性の勘」  嘱託医訪問はお土産配達  嘱託医からの苦情  嘱託医のランク 第四章 生命保険のウラ知識  死亡保険 若いうちに加入したほうがいい」のトリック  生存保険の掛け金  保険料割増率の決め方  血圧と割増率の関係  特別条件をくつがえせ!  やっぱり「コネ」と「カネ」の裏ルート契約  契約成立への裏技  診査承認と契約成立は違う  運悪く二年以内に死亡したときは  病気を隠していても保険金がもらえる場合  自殺では保険金はもらえないか  加入を断られたとき・・・他の保険会社なら入れる? 第五章 保険会社にだまされるな   こんなときには嘘をつけ!  転換契約にだまされるな!  高収入の人の入院特約は保険会社においしい   一時払養老保険の「抜け道」  変額保険と訴訟騒ぎ  リビング・ニーズ特約の舞台裏  解約したいときは本社へ行け!  税金対策としての生命保険のすすめ  第六章 営業の現場と外務員いろいろ  一億円の保険で収入百万円   こんな時は「同席禁止」を厳守すべし  「報状を捨ててほしい」  締切り狂騒曲  締切り間際の自爆契約  日付変更合戦に表締切りと裏締切り  「第二裏締切り」まで出現!  不健康な人は「重要月」を狙え  診査経費の無駄遣いで丸く収まる?   職員加入促進キャンペーン  懸賞ハガキの本当の目的   募集経費は個人持ち  外務員の新人採用  入社時健康診断  待ち合わせの強者  外務員からのプレゼント  葬式直後の勧誘  第七章 社医の生活も楽じゃない  社医は高給取りか?   会社にとっての勤務時間の解釈   締切り日の診査の混乱  移動時間  自分は休むのに、人には休暇を取らせないセンター長  上司の悪口  健診という「利権」  女医が優遇される理由  形ばかりのエイズ教育  おわりに  






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