生命保険社医は知っている(今井夏三)

丸の内生命(仮)の元社医が書いた、大手生命保険会社の実態です。グループ会社をモデルにして、タイヤが空を飛んだWOWOWドラマも作られました。2018年夏には映画も公開されています

「生命保険社医は知っている」を出版してから3年後に、今ではすでに死刑判決が確定している夏祭りでのヒ素カレー殺人事件が起きた。
林真須美はまず保険金詐欺の容疑で逮捕されたこともあり、TV局のデータ班?が私の本を探してきたのだろう・テレビ朝日から取材依頼のFAXが送られてきた(出版当時はメールアドレスなんてものはなく、単行本にFAX番号を載せていた。今、古本を買ってもそのFAX番号はないので送信できない)。
返信になんと出したかははっきりとはしていないのだが、多分「テレビ出演などはできないが、内容によっては協力できることがあるかも」というような返信を出したと思う。
その返信FAXは担当者のもとに届かなかったのか、それとも見たけれどテレビ出演しない者に興味がなかったのかそれに対しての返答はなかった。
宝島社も、生命保険の保険金詐欺が連日話題になっているこの機会に増刷して売り出せば、けっこう売れたとは思うのだが・・・

その後、テレビで「生命保険Gメンが見た現実と忠告 福嶋正人 近代文芸社」の著者が
テレビに出ていたのを見た記憶がある。これは、私の本のあとに出たものだが、当時の定価2233円ならあまりおすすめできる本ではない。 現在アマゾンでは送料含めて古本400円以下の出品が2つあるので、その値段ならいいので興味のある人は早めに確保するといいかもしれない。
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別冊宝島の生命保険の原稿で、生命保険に入れない職業(やめたあとでも?)があるが仕事で死ぬわけではないのにおかしいのではないか・・・というような原稿をみてチェックすることを頼まれたことがある。
まあ、超危険なことを職業としているスタントマンなんかは確かに生命保険に入れないかもしれない。
しかし、命にかかわることをしていない職業の人が健康だとしても無条件で保険に入れるわけではない。
例えば、アスベストをずっと扱っていた仕事の人は健康で今はその仕事をしていなくても、将来肺がんで死亡する危険性が非常に高く、言えば生命保険は難しいかもしれない。ただし、保険加入の際の告知では過去の職業など告知する義務はないので言わなければ問題ないだろう。

しかし、ある特定の職業や団体の人で申し込んだ生命保険契約が流れることは多い。
一般の会社の健康診断でも、大手一流企業の人は健康な人の割合が高いが、社員は200くらいの高血圧だらけ・不整脈も糖尿病も多いというような会社もある。

実は、ある特定の職業などで申し込んだ保険がほとんど流れるというのは、会社が加入を断っているのではなく、本人が断っているのである。そういった職業の人は健康の悪い人も多いのだが、健康で割増保険料を提示されなくとも本人が保険契約を断ってくる。

死ぬ職業ではないが入院する可能性が非常に高いので、入院特約を断られるのである。入院給付金が欲しいので保険に加入しようとする人は、入院特約が付けられないと自分で加入を取りやめる。つまり、職業によって生命保険に入れないのではなく、入院特約が付けられないから本人が断るのである。実は、そういった職業の人は健康にも気を使わない人が多いので、実際にも早く死ぬ確率は高くなるとは思うが・・・

入院する可能性が高いといっても、別に危険な仕事をしているわけではない。公務員なら、仕事をやめてまで入院しようとする人はまれであろうが、こういった仕事の人はできれば会社をやめたいと思っていたり、長く勤めようと思っていなかったりするので保険に入っていればすぐに入院する。

結論として、ある職業の人は生命保険会社が死亡危険性が高いから断っているのではなく、入院する可能性が高いから入院特約が付けられないので本人が断っているということである。

人生で、一度でも危険な仕事についたことのある人は、その後の人生でも危険な仕事についたり健康に気を使わない人の割合が多く、寿命が短くなる可能性もあるだろう。
そういったことを話したら、結局当初原稿はボツになったようである。

雑誌掲載号の1994年の12月号では、表紙の裏に大和(やまと)生命の特別養老保険のイメージ全面広告が載っていた。大和生命はその後2008年10月に破綻するのだが、当時生命保険社医の記事があると知っていたら広告を出稿していたのだろうか?
連載後、単行本になる前に阪神・淡路大震災とオウムサリン事件が発生した。
そのような大事件で単行本を出すどころではなくなったのか、それまで宝島30NONFICTIONのシリーズは全国紙の新聞広告もあったりしたのだが、自分の時は広告は一切なしで宝島30での告知もなし。唯一別冊宝島238「闇ブローカーの世界 」で告知広告が掲載された。
しかし、「生命保険社医は知っている」の次に出るはずだった単行本は、すでに告知もされていたのにとうとう発売が中止(うやむや?)になり、自分の本がシリーズ最後の本となった。
もし、阪神・淡路大震災とオウムサリン事件発生がもう少し早ければ、「生命保険社医は知っている」も中止になっていたかもしれない

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