生命保険社医は知っている(今井夏三)

丸の内生命(仮)の元社医が書いた、大手生命保険会社の実態です。グループ会社をモデルにして、タイヤが空を飛んだWOWOWドラマも作られました。2018年夏には映画も公開されています

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しつこく辞めろと言われても辞表を書かなかったため、年度途中での露骨な嫌がらせで(勤務地指定で募集しているくせに)遠方への転勤を命じてきた。
K多センター長はこれで私から辞表を取れると上機嫌だったが、
「引っ越すから準備に休みをください」と言うと、
「お前にやる休みはない。文句があるなら訴訟でも起こせ」
と態度が豹変した。
辞表が取れなかったため、あわててF山部長は部長室に私を呼んでフォローしようとしたようだ。しかし、結局はフォローどころか暴言を吐き、私が会社のことを本に詳しく 書く決心に最後のダメ押しをしてくれた。
保険会社は強引な勧誘によってイメージが悪いし、相互会社ではデタラメな経営者でも責任を追及されにくい。
少しは変わってほしいものである。

社医は高給取りのくせに仕事を邪魔するだけでロクな働きもないと思われている。

社医は高給取りか?
丸の内生命社医の年俸は千数百万円であった。 出世の終着駅と思われるベテラン医務センター長で千八百万円くらいだった。転勤前提の大手他社では、ニセ医者がうちの本物のベテラン社医よりも高給をもらっていてニュースになった。
営業所長からはよく高給取りだといわれるので対抗上調べてみた。なんと、二十代後半の係長クラスの所長で年俸九百万円を超え、さらにけっこうな額の住宅手当まで出ていた。まったく、30歳で一千万円近くもらっている男から高給取りとは言われたくない。

会社にとっての勤務時間の解釈
社医は、会社の都合によって勤務時間が変わるという意味での変則フレックス制だったので、仕事のないときは会社に出てこなくともいいが、そのかわりに夜間とか休日に往診したりしてそれなりに釣り合いが取れていた。
しかし、会社が九時から五時まで会社に縛り付けるようになると、残業手当を出さないというのは問題である。
勤務時間をあいまいではなくはっきりさせるなら、残業手当を出すように給与体系を変えるのが筋なのでは?

締め切り日の診査の混乱   
本社で都内の診査をしている社医は、重要月の締め切り日であろうと、せいぜい夜七時には終わる。しかし、地方の支社ではまったくそんなことはない。
予定で昼に空きがあると、当日飛び込みが入る。また、地方では営業所長の車であちこちすき間なく連れていかれ、ひどいときは朝昼抜きとなる。他営業所の予定があるのに、勝手に割り込んで知らぬ間に寄り道されたりし、営業所同士や外務員同士でもめたりする。
夜の10時過ぎにはるか遠方のところへ、「今から伺いますから」などと言い出す場合もある。
夜12時過ぎにお客さんの家へ社医を往診へ連れて行こうという猛者もいる。
夜中に診査しても結果が悪くなることが多く、外務員は損をするのだが。

移動時間
お客さんの家で診査をしているのが本来の勤務時間とするなら、移動時間の方が圧倒的に長い。勤務時間の半分を電車の中で過ごすことも珍しくない。駅のホームや喫茶店などで時間調整することもよくあるので、読書ははかどる。
K多センター長は、よく「労災が下りなくなるから、寄り道をするな」と言っていた。しかし、これは社医のためではなく社医に自由な時間を過ごせたくないための方便である。

自分は休むのに、人には休暇を取らせないセンター長
支社駐在と違い多くの社医がいる医務センターでは、物理的には一人が休んでも問題ないので有給休暇は取れるはずである。しかし、K多センター長はどんな暇な時でも有給休暇を取らせない方針だった。
人事部でも「有給休暇を取ると評価に影響する」と言っているので、まあ営業所長は社医と違い全国どこに飛ばされるかわからず、怖くて休みなど取れないのだが。
しかし、人には休みを取らせないK多センター長は、自分が休むのは大好き。よく月曜や金曜に有給休暇を使わずに休んでいた。
さらに支社へ送るスケジュール表には、載せる必要のない社医の休みを自分の休みを除いて送るのである。

上司の悪口 

K多センター長は、私が往診に行ってイチャモンをつけられ、結局契約部で診査なしで保険を通したらしい時、
「特別通してやったから感謝しておけ」と言ってきた。
さらに、少し経ってから「処分するから早く将来のことを考えたら(辞めたら)どうか」と言われた。
しかし、外務員やお客から文句が来ただけで悪いことはしていない者を処分できるはずもなく、何の処分もなかった。
それから、しばらくの間本当にしつこく会社を辞めろと言われ続けたので、本を書いてやろうと思ったわけである。
これ以降、もう遠慮の必要がないと思ったため(一番暇な時期だが)強行突破で休暇を取り海外旅行へ行ってきた。しかし、休暇を取られたことがよほど悔しかったのか出発の前日に、
「一週間以上休む時は会社の規則で医者の診断書が必要なのに、お前はとんでもない奴だ(病欠ではないのに?)」と言ってきた。

健診という「利権」
丸の内生命の健診では、胃レントゲンまである成人病健診をするので健診会社にとってはとてもおいしい。
そうした健診を取引にして保険を取ってくる外務員もいる。普通の外務員は経費を自分で使って保険を勧誘するのに、会社のお金で保険を取っているのならまったくひどいものである。
この健診は外注しているはずなのに、実際は社医が健診を行う。しかし、なぜか外注先からは少ないながらもバイト料が出る。センター長は、バイト料目当てでいつも健診を独り占めしようとしていた。

女医が優遇される理由
女医はイチャモンを非常につけられにくいので優遇される。

形ばかりのエイズ教育
社医にどんな教育をしてくるようにとの指示もなく、それどころか支社に配った教育ビデオを社医に見せることもなかったいい加減なエイズ教育だが、新聞には熱心なエイズ教育をしていると記事を書いてもらっていた。


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